正常性バイアス
社会心理学や防災心理学の分野で「正常性バイアス」と呼ばれる用語があります。これは、異常な事態が起こったとき、慌てる心を理性で押さえ込もうとする心理状態のこと。この心の働きがあるために、人間は些細なことに動じず、日常性を保っていられるとも言えるのですが、ときに本当の緊急事態が発生した場合でも、それまで培ってきた経験や、「自分だけは大丈夫」という誤った信念のために、適切な行動が取れなくなることがあります。
たとえば、台風が迫ってきているのに「自分だけは大丈夫」と思い込んで、あえて危険な海岸を見に行く人がいます。また、セキュリティ対策をせず、世界的に流行しているコンピューターウイルスに感染し、ニュースになるような事例もよく見かけるはず。冷静に考えれば「大丈夫」という確信の根拠はどこにもありません。トラブルを未然に防ぐためにも、思い込みのワナに気をつけましょう。
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