恋愛上手は、甘え上手
精神科医の土居健郎は、その著書『「甘え」の構造』で、甘えを「自分と他者との分離の否定」と定義しています。この好意を求めることで相手と一体化しようとする「甘え」とは、まさに恋愛の喜びそのもの、ということもできるでしょう。もともと、恋愛は相手との一体感に酔う心理状態でもあります。ですから、甘えて恋人にもたれかかるしぐさも、別れ際に「帰りたくない」と寄り添うことも、恋人との一体感を求める自然な行為なのです。
さらに人には、他人から認められたいという欲求があります。これは「承認欲求」ともいい、相手から尊重されたい、必要とされたいという心理をいいます。男女を問わず相手から頼られた場合、「僕は価値があると認められた」「私かいないと彼はダメなの」といった“自己重要感”が満たされ、相手に対して好意を持つようになるのでしょう。もちろん、全面的な依存は迷惑ですが、適度な甘え上手は、恋愛上手と言えそうですね。
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